この春、エースホテル京都にて旅するレストランを展開している
コペンハーゲンの世界最高峰レストラン「ノーマ(noma)」
「世界のベストレストラン50」における5度の世界1位獲得、ミシュラン3つ星と華々しい称号を得て、その料理やレストランのあり方においても世界にさまざまな影響を与え続けているノーマの調理道具に
藍左師ReitaMORIYAが意匠した鰹節削り器が納められた。
枕崎で鰹節製造を行う金七商店四代目 瀬崎祐介氏からいただいたお話から実現した。
金七商店オリジナルの削り器に藍左官を施し彫刻した一品。
海や空を連想させる美しい藍色に、生命のエネルギーを紋にした彫刻意匠。
正面には「破无句」と藍左師なりのパンクスピリットを込めた。
日本の八つの美意識のひとつ「破」
はっきりとあるようで形ない概念をあらわす「无」
旋律の区切り、合わさった調和の節「句」
美しき調理道具たち。
高貴な紫と藍色がなんとも日本の美意識に訴えかけてくる。
藍左師として、職人冥利に尽きる仕事をさせていただいた。
機能性と意匠性を兼ね備えた道具たちは、今こそ考えるきっかけを与えてくれる。
せっかくなので『藍左師』という名について少しだけお時間頂戴します。
藍と左官の融合に世界で初めて成功したという由来は、その通りです。
しかし、私はもうひとつの意味を含ませています。
サーフィンのスタンスや波の方向にはレギュラー(右)、グーフィー(左)という呼び名があります。
私はグーフィースタンスです。
グーフィー(goofy)の語源は2つの説があり、1つは「風変わりな」、「ちょっと変わった」という意味からきているというもの。
もう1つの説としては、 ディズニーの初期の映画「ハワイアンホリデー」 で グーフィーが 右足で前にサーフしていたからというものです。
いずれにしろ、少数派のスタンスです。
藍の左官は風変りであり、私は藍の傾奇者なんてプロフィールに書いたりします。
そういった意味もこめての藍左師なんです。
今回の作品もかなり風変わりで、左官したあとに彫刻を施す唯一無二の作風です。
金七商店 瀬崎氏に感謝を込めて。