「FUJISAWA BLUEHANDS PROJECT」
障がい者雇用における
生きがい、働きがい、賃金ボトムアップの達成。
私は、2021年10月2日コモンズ投信主催の社会起業家フォーラムにて藍を通した社会課題解決について登壇(文京学院大学校内、仁愛ホール)したことをきっかけに、翌月の13日にFUJISAWA BLUE HANDS PROJECTを発案した。
1847年ロバート・ウィリアム・アトキンソンが来日した際、藍色の衣服を身に付けた日本人を見て「ジャパン・ブルー」と称した。
それほどまでに身近にあった藍。
しかしながら現代では、衰退の一途をたどり希少価値で価格高騰し悪循環を招いている。
藍という植物を育てる農業は最盛期の800分の1ほどに減少し、藍染めをする人々はもはやどれほど残っているのか、、、。
業界内では”合成藍、化学染料の流入が原因”の一点張りだが果たしてそうなのだろうか。
当時は野良仕事が盛んであり、今のように道も舗装されていない。現代とは生活様式がまるで違うため汚れたら藍染め、生地を強くするため藍染め、薬効効果を纏うため藍染め、多くの人々が当たり前に藍色であったに違いない。
大衆の「当たり前」になると、今度はファッション的要素や、誰よりも濃い色を着たい武将なんかが出てくるのが世の常である。
そして、世代がひとつ代わればお下がり、ふたつ代わればダサい、古臭いとなるのだ。
そんなのは今の時代のファッションや音楽も同じだ。
現に当時一番盛り上がっていたであろう徳島に行くと、私の青い爪(藍染めで染まった)を見た50代のタクシーの運転手さんが「若いのに地味なことやってるねぇ」
「藍染めは古臭くてねぇ」と話しかけてくる始末だ。
きっと若い頃から爺さん、婆さんが着ているのを散々見てきたのだろう。
青い爪と言えば、落語で有名な紺屋高尾では青い爪は恥であり、身分を隠すために青い爪を隠していた。これが現代では一種のアイデンティティになっているのだからそういうことなのだ。
こんなことばかり言っていると藍業界から座布団が飛んできそうだが、座布団を投げる前に耳の痛みを気にした方が良い。
そして、合成藍や化学染料。これは昔と今では人々が持ち合わせている”時間”が違うのだから、発明されるべくしてと言う他無い。
自然と寄り添って生きていた時代は、1年という時間の流れの中で豊かに生活を送っていた。高度経済成長、デジタル化、自然離れ、、、今は毎日に追われるような時間軸になってしまっているのではなかろうか。
仕事の豊かさと経済的豊かさに時差が生まれている。
この際もっとはっきり言っておくと、合成藍を悪とする人々が一定数いるが、合成藍は当時の奴隷制度を救った側面があることを知らなくてはいけない。
藍の産業が最盛期の頃は、その重労働の影響から寿命が短くなっていたという事実があるのだから。
誤解を招きたくないので私の考え方を主張させていただくと、現代で藍に携わるすべての人に敬意を持っています。
そのうえで、私自身が藍染めをすることが目的ではなく、藍を通して人々の幸せや豊かさに貢献することが目的なのです。それが私のATTITUDE。
よく趣味でやっているという人がいるが、趣味ならお金をもらうのではなくお金を払ってでもやらなくては筋が通らないであろう。
ドライブ、コンサート、サーフィン、ランニング、、、趣味はお金がかかってでもやる。そういうものだ。
FUJISAWA BLUE HANDS PROJECTだが、このプロジェクトは企業や飲食店のユニフォームなどを受注し、障がい者の3名が藍染めする取り組みとなっている。
もちろん納品時のビニール梱包はなし、危険なアイロンがけもしない。
2021年11月の発案時、真っ先に賛同してくれたのが市内の企業「喜平」だ。
社長自らも一緒になって藍染めを体験し大いに喜んでくれた。
それからも賛同企業は増え続け、三共自動車学校は入校生の教材入れを年間2000枚藍染めトートバッグに切り替え藤沢市とプラ削減などの概要で包括協定を結ぶに至った。
都内で活躍するさくらナースケアステーションは訪問看護のユニフォームとして採用。ユニフォームが肌に触れる患者さん側にたった優しさ。抗菌作用や防臭効果など、藍のもつ機能性を優位に生かしている。
ホンダカーズ藤沢は制約のお客様へのノベルティとしてオリジナルデザインの藍染めトートバッグを採用。間接的に障がい者雇用、環境負荷軽減への貢献として役立てている。
藤沢環境基金への寄付やシティープロモーションで社会貢献しているFUJISAWA CITY LOVEシャツを販売しているラファイエットは既存のモデルを藍染めし、FUJISAWA BLUE HANDS PROJECTも協業。ストリートブランドの社会貢献はアメリカではドクタードレがコンプトンに学校をつくるのと同じく、現代でのあり方を提唱してくれている。
藤沢弁当集栄堂はエプロンに採用。汚れても染め直せる藍染めエプロンはサステナブルな考え方です。
新林社会体育振興協会はユニフォームに採用。防臭性、肌に優しい、メンバーの団結などに生かしています。
湘南なぎさ連は10周年の記念シャツにて賛同いただきました。
連の皆さんで訪問、体験を通してプロジェクトとの本質的な関わり方をしてくれています。阿波踊りや藍は徳島と藤沢を繋ぐ役割も担っております。
藤沢湘南ライオンズクラブでは、畑の運営サポートからプロジェクトへの奉仕活動と幅広いご協力を頂いています。
日大馬術部は馬の堆肥を畑に使うことで産廃軽減、地域連携を実現しています。
この6月には新厩舎が完成し、藍のアートウォールも採用頂きました。
ローソン藤沢市役所店では、初期から賛同頂き継続的に店頭での販売を行っています。コンビニエンスストアが実現するサステナブルモデルとなっています。
さて、一年半ほど経過し実際にどうだったかというと、藍染めを担当する本人たち自身の口から楽しい、やりがいがあるという言葉をもらっている。
親御さんから聞いた話では、今まで自分の身支度をしたことがなかったのに、藍染めの日だけは自分で準備するようになったと言っていた。
これは、皆平等に感じる生きがい、働きがいからくる行動心理のあらわれではなかろうか。
経済的な部分では、障がい者雇用をしているふじさわしげんくみあい(藤沢市資源循環協同組合)で4%の賃金ボトムアップに貢献できたとのお話だった。
この割合へ更に貢献していき、ブルーハンズマスターと呼ばれる彼らのバックアップをしながら、一緒に仕事をしていきたい。
昨日、6月1日。藤沢市役所にて藤沢市長より感謝状の贈呈式が執り行われ、弊社も感謝状をいただいた。
大変有難く、身の引き締まる思いであります。
2021年12月 初めてのメディア発表の様子
第一賛同企業 喜平のユニフォーム
第一賛同企業 喜平の社長、スタッフの方々、アートモリヤ、藤沢市長、ふじさわしげんくみあい金田理事長、ラファイエット小柳氏
第一賛同企業 喜平 開店記念 藍染めユニフォーム着用の様子
記者発表の様子
左からブルーハンズマスター、ふじさわしげんくみあい金田理事長、藤沢市長、株式会社エムワイ社長吉田さん、ブルーハンズマスター2名
ふじキュンとブルーハンズマスター
アートモリヤ工房にて
さくらナースケア 訪問看護ユニフォーム
さくらナースケアの皆さまと海で藍染め体験会の様子
ブルーハンズマスターによる高校生へのレクチャーの様子
(藤沢翔陵高校の先生と生徒のみなさん)
手話言語の国際デーに藍染めでご協力
手話言語の国際デー 藍染めを着て会場を沸かせたSTUDIO BUZZの皆さん
文京学院大学、国際教育プログラムの様子
湘南なぎさ連
藤沢地区にある阿波踊り連
10周年の記念に採用いただきました。
藤沢湘南ライオンズクラブの皆さん
写真の渡貫さんは、藍の畑を一緒にやっています。
藤沢市環境部の制服
ローソン藤沢市役所店での販売
糞を堆肥に協力いただいている日大馬術部
地域連携を取り、堆肥から選手や馬のユニフォーム、ゼッケンまで藍染め