第13回コモンズ社会起業家フォーラム  

第13回コモンズ社会起業家フォーラム  

2021.12.1
2021年 社会課題解決のため、自ら立ち上がったリーダー11名に選ばれ、登壇させて頂きました。
ここまでの道のりはロマンそのもの。過去のエッセイに綴っています。
藍の対する私の想い、是非ご視聴ください。
YouTubeリンク↓↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=RVvDd-57VXI
 
 
耳の不自由なおばあちゃんの為にテキストにもしましたので共有します。
コモンズ投信 第13回 社会起業家フォーラム スピーチテキスト
藍左師 守谷 玲太(あいさし もりやれいた)
皆さん、こんにちは。
第13回社会起業家フォーラムも後半に差し掛かり、お疲れのところだと思いますが
お付き合いくださいますよう、お願い申し上げます。
私職人ですので、こういったスピーチ、、、緊張しています(笑)
なので、ちょっとお付き合い頂きたいのですが、オープニングにありましたコモンズのCというのを、皆でCと(ハンドサイン)やるのがあるのですけど、僕が「せーの!」と言ったらCっていうのを一緒にやってもらえたら嬉しいです。
「いきます!せーの!C」ありがとうございます。(笑)
ほぐれました。
私は、株式会社アートモリヤ 代表取締役 守谷玲太
日本の伝統的な藍と伝統的な左官というものを、世界で初めて融合させることに成功して
初代 藍左師という雅号で活動しております。
いくら伝統的な藍、伝統的な左官といってもあまり馴染みがないと思います。
今日はちょっとお持ちして、目で見てわかりやすく、、、。
僕が今持っているところが取っ手にあたる、これが鏝(こて)というものですね。
漆喰とか珪藻土というと皆さんご存知かもしれませんが、左官というのは鏝を使って
壁を仕上げたり、家具を仕上げたりする技術の事を言います。
藍とは、ご存知藍色です。
僕が着ているこういった藍染めとかに用いられる藍ですね。
僕が何でこれを世界初融合したかというと、藍というのは今までこういったテキスタイル、生地とかを染めるというところに使われてきたのですが、どうしても退色してしまう、
色が抜けて白くなってしまうため、今までは内装材とか家具とかでは表現ができませんでした。
僕がたまたまラッキーだったのは、独学が故ですね左官と藍についてよく知らなかったのです。
ですので、自由発想で色々なことをやってきました。
ヨーロッパはベルギーやイタリアの材料を使うことで、様々な実験とかレシピを繰り返してきたところ、実際に退色しない藍というのを表現できることになりまして、新しい消費というカタチを生むことができました。
正に職人としてずっと生きてきまして、今日のオープニングで渋澤健さん申しておりましたが、台風の中にいるような状態で職人生活をやってきました。藍を知って、藍を愛することによって初めて台風の後の青空へ、青天を衝きに来たという感じですけれども、辿り着くことが出来たかなと思っております。
藍染めというのは不思議なもので、染め液自体は茶色とか緑色っぽい色をしています。
生地を浸けて持ち上げると、酸素に触れることによって化学反応が起きて青に、美しい青に変わっていくのです。
今日気が付いたのですが、コモンズさんのロゴも緑と茶色です。
登壇者の皆さんとも話していたのですが、人と人が交わって化学反応が起きたらコモンズのロゴも藍色に変わっていくのではないかなと思いました。(笑)
なによりやはり、藍というのは日本でも歴史は古く、今日は時間が限られているので割愛するしかないのですが、浮世絵の世界で北斎ブルー、広重ブルーとあるように、江戸時代なんかは庶民の色として凄く愛されて、親しまれてきた色です。生活に寄り添った色です。
イギリスから来日した科学者がそれを見て、“ジャパンブルー”と称賛したほど美しい日本が当時ありました。
今は藍染めというものも、合成インディゴができ、インド藍の流入によって衰退の一途を辿り、生産農家さんは減少しています。
このままでは瀕死の状態です。
日本の大事な藍が無くなる可能性は十分にあります。
当時、戦争中には藍の栽培が禁止されたこともあったのですが、唯一ひとりの方が隠れてそれを守ってくれたから、それを紡いでくれたから可能性としてぎりぎり残っている。
それが藍の現状です。
今日も見渡す限り、藍染めを着ている方はほとんどいません。
おそらく僕と次の登壇者の林さんぐらいかと思います。
ですので、藍染めをまた皆で一緒に着ようというようなことをやっていても残らないのです。
ただ、新しい消費のカタチを生めば、農業を衣食住の住の部分に僕の技術などでこういったカタチで生めれば、生産者さんとのバランスはまたとれるのではないかと思っています。
皆さん、思い浮かべてほしいのですが、海とか空って何色ですか。
藍色です。
美しい色だと思います。
でも、目の前の空気って透明です。
海水もすくい上げれば無色です。
でも、青ってイメージできますよね。
それは、皆さんの記憶の色がとても美しいからだと思います。
藍がなぜその色になるのか、緑の葉っぱがなぜそんな色を表現できるのかと言えば、
この先の将来必ず、それが医療なのか化学なのか経済なのかわかりませんが、人々の役に立つために、皆に忘れられない色としてその色を発色させているのではないのかなと僕は思っています。
藍の可能性に関しましては、渋澤栄一さんが実証済みです。
藍というものから、最終的に経済の父と言われるまでになりました。
ですから私は、現代に選ばれし藍の人として、皆さんと力を合わせてやっていけたら嬉しいと思っています。
今日着ている法被は、本来背中に呼んでくれた方の苗字をいれたりするのですが、
僕はあえて無字で着ています。
この先、皆様と協力して何かを成し遂げる時には、背中に名前を入れてまた皆さんの前に立てたら嬉しいです。
ご清聴ありがとうございました。
あとがき
職人の私がこのような機会に恵まれたのはほかでもなく。
たくさんの仲間や応援者の、精一杯の支えがあったからです。
緊張したスピーチでは、関わり合いのあるすべての人に行き渡る言葉を選ぶ余裕がなく
いつも通り温かい目で見守ってくださったら幸いです。
私が役目として活動出来ているのは徳島の藍にまつわる方々のおかげです。
藍の伝道者 永原レキ、上席研究員の吉原さん、城西高校の川西先生、藍を生産してくれている皆様には感謝しかありません。
今回のご縁を結んでくれた関谷さん、いつもサポートありがとうございます。
素晴らしい機会を与えてくれたコモンズ投信 渋澤健さん、馬越さんありがとうございました。
スタッフの方々、登壇者の仲間並びに、仁愛ホールを提供くださいました文京学院大学の皆さま、ありがとうございました。
あまりの多くの支えに感謝も伝えきれませんが、
いつも支えてくれるみんな、ありがとうございます。
藍を愛するすべての人に愛をこめて。
2021年10月4日 藍左師 守谷玲太
Reita MORIYA